Haiku Note
日記がわりに気軽に一句…をめざす俳句練習帳
2013年8月29日木曜日
がたんごとん残暑を乗せて市電ゆく
(がたんごとん ざんしょをのせて しでんゆく)
広島の魅力のひとつが路面電車。窓を開けていると、がたんごとん、というのどかな音が聞こえてきて、仕事に追われていても何となく気持ちが落ち着きます。大好きなリズムです。
だいぶ秋めいてきましたが、まだ少しもわっとする暑さが残っていますね。これも、あと少しかな。
広島電鉄 宇品線
2013年8月25日日曜日
雨やみて静けさ破る秋の蝉
(あめやみて しずけさやぶる あきのせみ)
久々の大雨で気温も下がり、一気に秋めいてきたなと思っていたら、申し合わせたかのように聞こえてきた蝉の声。そうか、君たちの季節もあともう少しだものねー、などと思いながら、暑さの戻りに少し怯える。
ほとんど一日中机の前に座っている仕事ですが、窓を開けて仕事できる季節は気持ちがいいです。四季って素晴らしい。
塔のへつり駅(会津)
2013年8月23日金曜日
桐一葉風に運ばれ雨にほふ
(きりひとは かぜにはこばれ あめにおう)
今日の広島は雨の予報。暑さも心なしかやわらぎ、降り出しそうな予感の空にふっと雨のにおいがしたような。もうすぐかな。
鳩の物思い
2013年8月20日火曜日
向日葵や誰の願ひか背くらべ
(ひまわりや だれのねがいか せいくらべ)
先日のいわき帰省の折、近所の道ばたにずーっとひまわりが植えてありました。誰が植えたのか分からないけれど、まだまだ小さな苗もたくさん。「ひまわり」と書いた小さなプレートが土に刺してあり。
そういえば除染に効果があるかも、と話題になったりもしましたね。実験は残念な結果でしたが…。
それでも、まっすぐ胸を張るひまわりは力強くて、なんだか気持ちを明るくしてくれます。
暦上はもう秋ということで、秋の季語で詠まなければいけないのかな…と思いつつも、暑いし気分はまだまだ夏。印象的だったひまわりを詠んでおきたいなーと思ったのですが、やはりルール違反なのでしょうね。要勉強(^_^;)
2013年8月15日木曜日
小名浜の海きらめきし秋日傘
(おなはまの うみきらめきし あきひがさ)
広島に比べるとずっと涼しかったいわきですが、陽射しはまだまだきついですね。帰る前にちょっと海に挨拶。きらきら輝く水面が綺麗でした。
小さな頃から慣れ親しんだ海。学校の写生大会はいつも小名浜港周辺でした。名物は、貝にウニをたっぷり詰めて蒸した
貝焼き
。軽く炙ってごはんにのせ、お醤油をちらっと垂らすと絶品なのです。今は外国産のものに変わっています。
震災時、このあたりは津波にのまれ大打撃を受けましたが、だいぶ修復が進みました。右に見えるのが環境水族館「アクアマリンふくしま」です。
2013年8月11日日曜日
秋暑し月命日に頭垂る
(あきあつし つきめいにちに こうべたる)
東日本大震災から2年と5ヶ月。もうそんなに経つとは信じられないほど、まだいろいろなことが現在進行形です。亡くなられた方々が安らかに眠れますように。そして残された問題も少しずつ解決していけますように。11の日が巡ってくるたび、小さな祈りを捧げる。
明日、いわきに帰省します。
震災で津波に襲われた、いわき市薄磯海岸(2012年9月撮影)
2013年8月10日土曜日
濁りなき子らの歌ごゑ原爆忌
(にごりなき こらのうたごえ げんばくき)
9日は長崎の平和祈念式典をネット中継で見ました。そんな時代になったのですね。広島の式典でもそうでしたが、厳かな雰囲気の中、子どもたちの合唱が始まるとふっと涙ぐんでしまいます。重い感情に包まれる式典の中では、とても異質な存在。戦争など知らない子どもたち。青空に響きわたるその声はどこまでも澄んでいて、真っ直ぐでひたむきで、心動かされます。確かに紡がれていくであろう未来と希望を感じました。
今日も美しかった夕焼け
2013年8月9日金曜日
夕凪の光に溶けし千羽鶴
(ゆうなぎの ひかりにとけし せんばづる)
8月6日は原爆忌(広島忌)でした。平和記念式典に参列し、夜は川べりをずっとたどって灯籠流しを眺めに行きました。夜といっても19時ごろはまだ明るく、夕方といった風情。川べりに何ヶ所もある慰霊碑には花や折り鶴が供えられています。観光客の目にはふれないような場所にも本当にたくさん、祈りのあとが見えました。
沈んでゆく陽の光に照らされる折り鶴に、何度も足が止まる日でした。
とうろう流し
風薫る川べり駆けて一年目
(かぜかおる かわべりかけて いちねんめ)
広島に引っ越してきてちょうど1年目の日、いつものように元安川沿いを走っていました。5月、さわやかな風と緑のにおいで、ふと浮かんだ一句です。いろんなことがあったなぁ、心細かったけど頑張ったよね、と感慨深かった日。一見、1年前と同じようでいて、いろんなことが変わりました。
本当に何気なく浮かんだ一句で、季語など何も意識していなかったのですが、あとで調べたら「風薫る」が季語でした :)
大好きな川べり
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